言葉にしない。するならツーステップで。

2022-10-13

ア「先生、ウチの子、数学が苦手なのです。」
このように、直球で言わないで、

イ「先生、ウチの子、もっと数学ができるようになりたいようです。」
こう言うようにしてみてください。

入塾面談で、「ア」のように
言われることが多いのですが、
「イ」のような表現をすると良いです。

なぜなら、
言葉にすると、それを子が
認識してしまうからです。

「そっか、ぼくは(私は)数学が苦手なのか…」と。

まだまだ幼い小学生や中学生はもちろん、
高校生も、自分は何ができて何ができないか
はっきり分かっていません。

それを、良くも悪くも
決めてしまう可能性があります。

「そっか、ぼくは(私は)~なのか…」

できるだけ「~」に入る言葉は、
プラスが良いですよね。

言葉を変換する。

たとえば、
Sunday,Monday…と、英単語な苦手な子に、
毎日1回書いたら、3日後、どうなってる?

一次関数の文章題、
パターンは5つあるけど、
3日連続やったらどうなると思う?

こう言ったとしたら、
お子さんはどうなると思いますか?

私は30歳のころ、

歴史が苦手な子に、
「先生、歴史が覚えられないです…」
と相談されて、

「そのページを10回やったらどうなる?」
と答えたのがきっかけです。

塾生「できるようになると思います。」

こう答えた塾生の表情が輝いたのを、今でも覚えています。

そんな当たり前だろ~

10回やればできるようになるなんて…

それまで、こう思って何も伝えてこなかったのは、
私の思い込みだったのです。

当たり前の事とは、
私にとっての当たり前であって、

言葉できっちり伝える、

ということは、
本当に大切な事なんだと、
その日初めて知りました。

その日以来、
当たり前な事ほど伝えるようにしました。

当たり前ということは、
日常生活との関りが深い、
ということですよね。

ということは、
きっと大切な要素である知識です。

学校の授業を聞く。

これも当たり前ですが、
私が塾生によく言うセリフがありますので、
ご紹介します。

「学校では、先生が授業を考えて話しているよ。
黒板に書く内容も、事前に考えてくれたんだよ。

だから、その努力に答えてあげるには
どうしたらいいと思う?」と。

子供とは、
大人が努力をしているという発想を
あまり持っていません。

大人は何でもできる。
こう思っているようです。

私の思い込みかもしれませんが…

また子供とは、
人の役に立ちたいとも思っています。

ですので、
先生の努力に対して、
何ができる?

こう聞くようにしています。

「授業をちゃんと聞きなさい。」
と同じ意味で、言い方を変えているだけですが…

1.人の役にも立てて、
2.結果、子供自身のためにもなる。

ここを意識できる機会は
意外と多いものです。

脱いだ服を洗濯機に入れる。

これをテーマにすると、
1.私(母)が楽になって、その分、
夕食にかける時間が増えて、おかずが増えるよ。
2.あなたも夕食が充実するね。

くつをそろえて脱ぐ。

これをテーマにすると、
1.物を大切にするなら、物が喜ぶ。
作ってくれた人も嬉しいよ。

また、何か「物」がほしい時、
あなたの提案が通りやすくなるよ。
だって、大切にしたい「物」なのでしょう?
2.あなたも要求が通りやすくなるわよ。

という感じでしょうか。

このように、
AさせたいならBさせよ。
の発想で考えてみてください。

そのときに、
「B」を、1と2のように、
「人の役に立つ」んだよと伝える。
結果「あなたにもメリット」があるよと伝える。

ツーステップで話すと良いと思います。

このツーステップコミュニケーションは、
勉強にも応用できます。

たとえば…

「(英単語を)毎日5分書きなさい。学習習慣がつくよ。」
「歴史の教科書を読みなさい。文字が好きになるよ。」

これらのように、
ツーステップで話すようにしています。

まず、
やってほしい事をはっきり言います。

次に、
子供本人のメリットになると伝えます。
メリットを子供自身に考えさせることも大切です。

それが、
塾長「手が止まっているんだね。その文章題手強いね。
あと5分粘ってピンと来ないなら、
解説を読んでしまいなさい。」

生徒「(自力でやりたいな…)」

塾長「本当は、自分の力でやり切りたいでしょ?
そのために、やり方を解説で学んでおくべきだと思うけど、
どうだろうか?」

生徒「(確かに)」

こんな感じです。

「解説を読んで、やり方を覚えて、
それを5回くり返したら、きっと文章題が好きになるよ。」

こう言うときもあります。

「だから、いきなり文章題を解くよりも、
まずは、やり方を学んだほうが良いと思う。
この作戦が良さそうならばやってみてはどうかな?

文章題が苦手な子とは、
たいてい、自力でやりたがります。

ですが、
そのパターンが4つ5つありますので、
定期テストまでに1周するのがやっとです。

結果、身に付いていないので、
できない。

「あれだけやったのに…」と落ち込む。

このような流れになります。

ですので私は、
最初から、先ほどのように、
まず解説を読むよう勧めるのです。

自力でやり切りたい。

この気持ちも大切にしつつ
それよりも3周できる方法を提案する。

時期にもよりますが、
解説を読んでから3周することで、
定期テストで点が取れます。

すると塾生は喜びます。

「本当は自力で1周したかった」
言った子はいません

みんな「先生、あのやり方でやって良かったです。」
と言います。

(あれだけ自力でやりたがっていたクセに…、
現金なやつめ…)

と思いながらも、

一度、上手くいくことで、
次からの文章題対策はスムーズです。

今日は、ツーステップで話すことについて
紹介しました。

ぜひ、参考にしてみてください。

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