51 小論文の書き方(補足)

2023-08-24

昨日、高校3年生対象の
小論文講座を行いました。

そこで見られた

よくある勘違いについて

お話します。

よくある勘違い、それは、

さっき書いた内容だから分かるかなって…」
という発言です。

私の授業は、
宿題として書いてきたもらった
課題を添削して、

修正ポイントを個々に話し、

みんなに共通するところは、

ホワイトボードで板書授業をする。

という流れをとっています。

このみんなに共通する勘違いポイント

として、
昨日板書をしたことが、

「人は忘れるから、きちんと繰り返し書きなさい」

ということです。

昨日〆切の課題は、
ネット社会についてでした。

全員のこの小論文に目を通したところ、
ほぼ全員、以下のような文が、書かれていました

「このように、確かにリスクもありますが、
先ほどお話したメリットを意識することで…」と。

これは、ごく一般的な表現ですので、

何が勘違いなのか、どこがいけないのか

分からないかもしれません。

本当は、
「このように、確かにリスクもありますが、
先ほどお話したような『3つのメリット』は…」
のように書きます。

先ほどお話したメリットを…
だけですと、

「なんだっけ?」と教授は考えることになります。

教授に、確認に戻らせる手間を取らせることになります。

読み手に考えさせないのが論文です。

つまり、

読めば分かるように書くのです。

3つのメリット…
のように、

数字を書きなさい

と言いたいのではなく、

いちいちその都度、
省略せずに書こうよってことです。

書き手はすでに、
予備情報が頭に入っている前提で書きます。

一方読み手は、
初見です。

そのあたりに意識を向けると、

繰り返すことは、むしろ読みやすさ

につながります。

でも5行前のことだから(覚えていると思うのですが)…」
と食い下がりたい気持ちも分かりますが、

一度他人(友人)が書いた小論文を読んでみてください。

おそらく「なんだっけ?」と思うはずですよ。

見本の完成文を読むことも大切ですが、

同じ立場の受験生が書いた、下書き

を読ませてもらう。

この新鮮な下書きを読むことで、

「ぼくも(私も)こうなんだろうな…」

と気づくことができます。

まとめますと、
主語(前に記述した内容)を省略しがち
→いちいち書く。
・参考書の見本以外(下書き)も読む。
→違和感、読みづらさに気づける。

この2点を意識して
残りの夏休みを頑張ってみてください。

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