46 勉強の基準は自分
もしあなたが中2だとして、
今の成績が、平均以下だとします。
すると…
学校の授業、辛くないですか?
体育の時間で、
「今日は跳び箱の5段を練習します。」
と言われて、
全員が(すでに飛べる子も、四段も飛べない子も)
延々と5段を飛ぶのが学校だからです。
4段も飛べないのに、
5段を飛ぶコツは~
と言われても、
言われたことを実践できないですよね…
結果、
ア:出来ない事をすることで、
ストレスに感じてしまいますし、
イ:出来ない事をすることで、
自分に自信がなくなってしまいます。
ですので、
学校の授業、辛くないですか?
と、先ほどお聞きしました。
そこで多くの人は(子供たちだけではない)、
毎日のアとイから避けるために、
どうすると思いますか?
ウ:陰で練習する。
エ:現実逃避する。
ということになります。
ウの陰で練習することは必要ですが、
それが実を結ぶまでには相当な時間が必要
ですので、
実を結ぶまでの期間中も、
明日も明後日も、アとイは続きます。
つまり、何かを克服する
ということは、
アとイの上のア´とイ´の状態に
なるわけです。
何が言いたいのかと言いますと、
平均点以下になってから
平均点以上になるためには、
かなりの覚悟を持つ必要がある
ということです。
平均点くらい、
少し頑張れば超えられるよ。
と思っているのでしたら、
その簡単な平均点くらいさえ
今超えられていない
という現実から、
やはり、簡単な事ではない、
というわけです。
ではどうしたらいいか?
と言うお話をします。
たとえば、
今中2生が数学で学んでいる
一次関数が分からないのは、
中1で学んだ比例と反比例が
身に付いていないからです。
というと言い過ぎで、
比例反比例の公式を
覚えていないから、
というのが一番の理由です。
大きく比例反比例が
身に付いていないから
ではなくて、
本当は、繰り返しになりますが、
比例反比例の公式を覚えていないから、だけです。
一次関数の授業中、先生は、
傾きは3だから、
y=ax+bのaが3なので~
と言います。
この「傾きは」の
意味が分からない
のが、
比例反比例の公式が
身に付いていない場合、起こります。
何も、
比例反比例の文章題全部や
応用問題までを解ける必要はありません!
ということです。
つまり勉強には、
今の勉強が、
過去学んだことの続きだとしても、
ここまで身に付いていれば、
今、困ることはない!
というレベルがあります。
これがスポーツと異なるところです。
跳び箱は、
4段が飛べないと、
コツがどうのと言われても、
5段を練習しても、
上手く行く可能性は低いです。
ですが、
勉強は違います。
中3で学ぶ「不定詞」が分からないからと、
中2で学んだ「不定詞」を、
すべてゼロから復習して身に付ける必要が
あるかと言えば、
そんなことはない!
のです。
中2不定詞の「ここ」と「ここ」だけ覚えなさい。
中3不定詞の理解に必要な中2内容
は、
「ここ」と「ここ」だけだからだよ。
こういう事なのです。
実力テストや入試対策も同様です。
英語が苦手な中3生は、
中3の秋に、
「英語やばい」
と言って、be動詞と一般動詞から
勉強をやり直そうとする子がいます。
しかし、
実力テストも入試も、
likeですか?likesですか?
のように、三単現のsがどうの
というような問題は、
出題されません!
それよりも、
文章全体を読んで意味をつかむ力を
付ける勉強をしたほうが良いです。
もちろん、
likeとlikesの区別、つまり
三単現のsは大切ですので、
入試が終わったら、確実に理解すべきところですが…。
今日お話したかったことは、
1.あなたが今できないソレは、
人の成長速度は人それぞれ
だから、
能力が低いと思う必要はない。
2.自分の今の力以上の事を
学校の授業で学んでいる場合は、
ア:ストレスを感じる。
イ:自信を失う。
可能性があるので、
志望校がどうの、に関係なく、
最優先で手を打ってもらいたいです。
その方法は、
過去の単元を1から10まで
すべて理解する必要はきっとない!
過去の単元の公式だけを身に付けるなど、
絞ることができる。
と言ったことでした。
それができれば苦労はない。
と思われるかもしれませんが、
苦労することになるのは前提!
です。
ということは、
はっきりお伝えしたいです。
苦労なく過去の単元の復習もできて、
すぐに今の勉強に追いつける、という
ことはありませんので、
そこは頑張るところです。
今から追いかける人が
歯を食いしばらずに追いつけるならば、
すでに先に居る人たちは、
もっと速いスピードで先に進んでいる
だろうことは、容易に想像できますよね。
結果、
「平均点」は、さらに先へと移動して
行くことでしょう。
という風に考えてみると、
諦めるには、先は長すぎるし、
追いつくには、ギリギリ…
かもしれません。
このあたりの事を考えて、
学校が進まないこの貴重な夏休みの過ごし方を
ぜひ、考えてみてください。
私の塾で勉強するかは置いておいて、
一度、私に、あなたの勉強の様子を見せてくれれば、
あなたに必要な勉強をアドバイスできると思います。
夏期講習へ参加するよう誘導するようなことは
しませんので、安心してください。
追伸:
人には人のペースがあります。
学校基準の「標準」に合わせる
必要はありません。
というより、
合わせられるならば…
「とっくにみんな、やっている!」
ですよね。
ですので、
人には人のペースがあって、
たまたま近所に住んでいる子たちの
ペースが速かった、というだけです。
そもそも小中で学ぶ事は、
あなたたち自身で選べません。
得意も不得意も人それぞれなのに。
ちなみに、大人になるにつれて、
得意に集中できるようになっていきます。
水泳の時間もありません。
社会人と学生で、大きく異なることに、
役割分担ができる、ということがあります。
あなたの不得意は誰かの得意。
あなたが苦手なソレは、得意な人に任せれば良いのです。
逆に、
誰かの不得意で、あなたの得意があれば、
そこをあなたが担当する。
世の中とは…
このように回っています。
ですので、小中だけが、
得意も不得意もすべて頑張る特殊な世界
なんだと理解した上で、
先を見て、
このように考えてみてください。
大学は、
・朝の会(や全校集会)がありません。
・授業も、自分で選べます。
社会人は(会社は)
無数の職種から、自分で選べます。
よって、
不得意がある=自分はダメ人間
と思う必要はありません。
↑この発想が一番大切です。
たとえば私は、
20年以上塾をやっていますが、
パソコンは大の苦手です。
「アレ?文字に色が付かないぞ?」
なんて事は、日常茶飯事です。
そんな時は、
このホームページを作ってくれた人に、
すぐ電話をするのですが、
飯田さん、
パソコン覚える気ないでしょ?
と、いつも叱られます。
「ええ、そうですよ。
得意を頑張りたいので、
パソコンを覚える気はないですよ(笑)」
そんなやり取りを、20年近くしています。
これでいいんだと思います。
あなたはあなたに必要な事、
頑張ればできるようになりそうなところに集中
してください。