48 テストで「時間がない」場合

2023-07-31

中2生が、夏休みに、以下の方程式を解きます。

5a+2 =3a-4  …ア
5a-3a=-4-2  …イ
となって、

2a=-6 …ウ
a=-3 …エ

これで答えが出ました。

この「エ」がノートに書いてあれば丸です。

テストでも丸です。

でも、いつまで経っても
数学の成績が上がらない場合、

あなたはどう指導しますか?

つまり、宿題ノート、いつも全部丸です。

テストでも、計算はすべて丸です。

そんな子の数学の成績が、
いつも60点くらいだとして、

「ぼく(私)どうしたら75点を取れるのでしょうか?」

こう相談されたとして、
どうアドバイスをしますか?

ということです。

先ほどの方程式で、
確かに丸(正解)かもしれません。

でもですね。
いったん「ウ」を、
8a=-6 …ウ´
とする子がいます。

~アとイの正解は以下~
5a+2 =3a-4  …ア
5a-3a=-4-2  …イ

そして本当は(5a-3aだから)
2a=-6 …ウです。

「ア」の3aを左に持って来ると、
「イ」の通り、-3aと符号が変わるのですが、

符号を変えなかったので、

8a=-6…ウ´となって、「割り切れないな、なんでかな?」
と思うことになります。そして、

「計算ミスしているのかな?」
と「ア」「イ」を見ますと、

5a+3a=-4-2 …イ´
としていて、だから8a=にしたのか…
と気づいて直した!

そんなケースがあります。

このような

結果(正誤)には表れないステルスミス

がある子は、

他の計算問題でも、

おそらく同様な事が起こっている

のです。

解いている途中で「変だな?」と思い

解き直して進む。

というわけです。

この結果、
後半の文章題にさける時間
どうなりますか?

当然足りなくなります。

先生も、
計算は正解なため、

計算は大丈夫だと思ってしまいます。

結果、

計算はよくできているね。

だから、この夏休みは

文章題を中心に頑張ろう!

という話をしがちです。

本当は、
本当にすべき勉強は、文章題ではなくて、

計算を、高いレベルで身に付けさせるべきなのに。

中1で学ぶ移項が身に付いていないのですから
この子に必要な勉強は、

スピードでも慣れでも学習量でもなく、

基本を身に付けること!なのです。

もし、あなたのお子さんにも、
今回のようなお話に心当たりがあれば

ノートの○×や、テスト結果ではなく、

必ず問題を解いている途中
見てあげてください。

中2生や中3生で、
テストの計算はすべて正解でも、

点数が伸び悩んでいる子

を、
この20年、何人も見てきましたが、

たいてい基本計算が身に付いていません。

だから中1の教材から…
というわけではなくて、

笑顔で、ミス注意だよ~
でもなくて、

「いいかい。計算こそ、強い気持ちで取り組みなさい」

「最高に集中して、向き合いなさい」

こう言ってあげるべきです。

だって途中で気づいて
直せる子なんです。

教材でもう一度勉強し直す必要があるのか?

それとも、その子に必要なことは、

気持ちを整えてあげることなのか?

途中を見ることでしか
分からないことがあります。

途中を見るとは

「ここだ。この先を見るぞ」

決めておいてから
見る必要がありますので、
なかなか難しいことですが、

本来勉強とは、そういうものです。

だから、
ご家庭で難しいようでしたら、

塾に頼ってみるのも手かと思います。

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